東京在住のNさん(23歳)は、実家の福島県から東京の大学に通うために、5年前上京してきました。東京では一人暮らしをしていましたが、大学の仲間たちと毎日楽しく過ごしていました。東京に出てきて初めての誕生日に仲間達からブランドもののバッグをプレゼントされました。もちろん、Nさん自身も初めてのブランド品ということもあり、心から喜びました。このバッグをもらってから、Nさんはブランド品に興味を持ち始め、いろいろな本などを見ては、ブランド品が欲しくてしょうがなくなってしまいました。
しばらくするとアルバイトを始め、生活を切り詰めてお金が貯まってはブランド品を買うという生活が続きました。新作の商品が出るたびに、それを買いあさるようになり、お金を借りて買うことも増えてきました。そのような生活を2年ほど続けていると、今度は大学を辞めてしまい、親から送られてくる学費もブランド品につぎ込んでしまったのです。こうなると、もう誰も止めることはできなくなり、毎日キャバクラで働き、そのお金はブランド品にかけ、借金返済も徐々に厳しくなってきました。携帯電話に催促の電話が掛かるようになり、それを無視していたため、ある日、債権者の1社が実家に連絡してしまったのです。その話を聞いた両親は怒り、仕送りを完全に止めてしまったのです。この時には、借金は約250万円になっていました。
これで、借金の返済どころか生活さえもできなくなってしまったNさんは、早く高いお金を稼ぐためだと、風俗店に勤めてしまうことになったのです。Nさん自身は、容姿などもよかったため、すぐに人気がでて、借金の返済や生活費を考えても余裕が残るような金額を稼ぐようになりました。しかし、人気が出てくると、仕事が忙しくなり、体調を壊し、仕事も休みがちになってきました。給料も減り、体調は悪化していくが、借金を返済するために仕事にでるしかないというような悪循環に陥っていきました。そして体力的にも精神的にも限界が近づいていた時に、テレビで「借金に追われている人のための特集」がやっており、それを見たNさんは、1度相談に行ってみることにしました。 |